「今だけドロドロ」血液と「いつでもドロドロ血液」

東京女子医科大学付属成人医学センターに2001年4月「MC-FAN外来」・・・一般的には「血液サラサラ外来」と呼んでいます・・・を開設してから、約3000名について血液流動性の検査を行いました。なかには「今回は流れが悪かったので、来月もういちど」といって、再検査を受けた患者さんもいました。すると、前の月には流れが止まってしまうような立派なドロドロ血液だった人が、翌月にはサラサラと流れているようなケースがあることもわかってきました。とくに、血液検査の数値も基準値内で、健康診断で「異常なし」といわれている人が流れが悪かったような場合、ご本人に改めて聞いてみると「昨晩飲み過ぎちゃって」とか「2、3日前からちょっとかぜ気味でした」など、たまたまコンディションの悪い状態でMC-FAN検査を受けているケースがほとんどでした。このような患者さんの場合は、寝不足や過労、かぜ、飲み過ぎなどのために一時的に血液の流れが悪くなっている「今だけドロドロ血液」と考えられます。「今だけ」なので、悪い要因が解決すれば流れがよくなります。それどころか、黒酢や納豆などの血液サラサラ食品を摂取して数時間後に再検査した実験では、ドロドロだった血液がすっかりサラサラになっていたこともありました。血液の流れがいかにデリケートで、食事や睡眠などの生活習慣に影響されやすいかがよくわかります。

「今だけ」「いつでも」みんな生活の見直しを
一方、肥満や高脂血症や糖尿病などがなかなか改善できない患者さんや、ヘビースモーカーの患者さんのドロドロ血液は、「いつでもドロドロ血液」です。黒酢を飲んだ程度では流れが改善しません。本人が自覚して、食生活の改善と運動による肥満の解消、血糖値のコントロール、あるいは禁煙などを続けなければ、小川のせせらぎのようなサラサラ血液にはなれないのです。このような患者さんには、ビジュアル映像で訴えるMC-FAN検査は説得力があります。同時に、からだの不調で一時的に流れが悪かった「今だけドロドロ血液」の人たちも、ライフスタイルを見直して「いつでもドロドロ血液」にならないよう注意するきっかけにしてほしいと思います。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket