ようやく実用化される普及版MC-FAN

「血液サラサラ」がこれだけブームになると、誰もが1度は自分も血液の流れがどうなっているのかこの目で見てみたいと思うはずです。いままでこの血液サラサラを測定するMC-FAN(マイクロチャンネルアレイ・フローアナライザー)がおもに研究用の測定機器であったために、国内でほんの数カ所の医療機関でしか検査を受けることができませんでした。しかし最近ようやく一般向けの普及版が開発され、現在その基準値の設定を行っているところです。いずれは、全国的に急速に普及することが予想されます。MC-FANは、半導体技術を駆使してつくった毛細血管モデルに血液を流し、その流れるようすを顕微鏡で拡大しながらモニターに映して観察できる血液流動性測定装置です。実際に人間の体内の毛細血管の内部を見ることは不可能ですが、採血した血液を毛細血管と同じ細さの通路に流すことで、血管内に近い状態を人工的に再現しているというわけです。

実際に検査に使用する血液はほんの1滴だけ

ここで、みなさんが漠然といだいている疑問にお答えしておきましょう。以前、MC-FANの画像をテレビで見たあるドクターから「1回の検査であんなに大量の血液ながすのでは、終わったあとの血液の処理が問題になるのでは?」という質問を受けたことがあります。しかし、その点は心配ありません。この本でもたくさん紹介しているおなじみのMC-FAN画像は、装置の内部に組み込まれた顕微鏡で2000倍に拡大したものです。それであんなにサラサラと小川のように流れているように見えるのです。実際に1回の検査で流す血液の量は、従来の研究用のもので100マイクロリットル(0.1ミリリットル)、新しいMC-FANの場合でも200マイクロリットル、つまり0.2ミリリットルです。例えば、料理に使う小さじ1杯が5ミリリットルですから、その1/25の量とほんとうにごく少量です。採血する量も5ミリリットルなので、「血液サラサラ検査をしたいけど、貧血ぎみだから、だいじょうぶかしら?」などという心配は無用です。

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